
面白い時間、面白いモノが生まれる場所
「得意分野の異なる人がそれぞれの能力で全力疾走しながら、 いい時間、いい物を楽しみながら生み出していく場を作るためにはどうすればいいか」
これが、20年近い社会人生活の中で私の根底に在り続けている関心です。
この関心の生まれた契機は、高校時代の部活動で、
”いい場(人・雰囲気)” で ”得意分野の異なる人がそれぞれの能力を活かす”と 面白い時間、面白いモノが生まれる
ということを知ったことだと思う。
面白い時間やモノが生み出された電算部
高校時代の部活動。いわゆるパソコン部。
時はインターネットが普及する少し前で、部員以外の生徒からは胡散臭げな視線を向けられながらも、
小さな薄暗い部室で私は充実した日々を送ってました。
部室は、部員が自由な時間に来て、
お茶を飲んだり、お菓子を食べたり、だべったりする、ひたすらゆるい場所だったけれど、
部員の組み合わせの妙によって、面白い時間、面白い物が生み出された。
- 「仲間と1つのゲームを作り上げたい!」⇒合作アドベンチャーゲーム制作
- 「パソコンでイラスト描きたい」という部員→イラスト担当
- 「コンピュータミュージックをやりたい」という部員→BGM担当
- 「小説を書きたいのでワープロ打ちを覚えたい」という部員→シナリオ担当
- 土台となるシステム開発→私
- 「合宿というものを経験してみたい!」⇒PCを宅配便で軽井沢の寮に送って、夏合宿開催
- 「パソコンって自作できるらしいよ!」⇒部費使って、自作パソコンに挑戦
- 「ロシアンルーレットチョコを作ってみたい!」⇒チョコ食い倒れパーティ開催etc..
当時やりたいと思っていたことは、全てやりつくしたと思う。
プログラミングする人間は私しかいなかったけれど、
代わりに、私では浮かばないようなアイデアが他の部員からよく出てきた。
3年次にふと思いついて出席簿アプリを作ると、そのアプリに出席マークを付けるために部員が顔を出すようになり、
そのうちに、そのアプリを使って面白い遊び方を考える部員も出てきた。
アプリを作った私自身は、出席簿アプリで遊ぶ、なんて発想は全く思いつきもしなかったので、
部員たちの”楽しむ力”に驚嘆した。
例年、文化祭が終わると部室は閑古鳥が鳴くのだけど、
3年次はこの出席簿アプリにより、文化祭以降も部室は賑わっていた。
それぞれの得意な技能だけでなく、
「こういうことやりたい!」と発案する人、奇抜なアイデアを出す人、
場を盛り上げる人、場を楽しむ人etc..
そういった各人の特性がうまく合わさって、いい時間、いい物が生まれていた場所だったな、と思う。